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作業療法士の実習のリアルとは?内容・期間・乗り越え方を解説
コラム2026.10.07

「作業療法士になりたいけど、実習ってどんなことをするの?」「実習がつらいって聞くけど大丈夫?」——こうした不安を抱えている高校生は少なくありません。この記事では、作業療法士の臨床実習の具体的な中身と、不安を解消するために知っておきたいポイントを事実ベースで解説します。

この記事でわかること

  • 作業療法士の臨床実習は全部で何時間必要なのか
  • 見学実習・評価実習・総合実習の3種類それぞれの内容
  • 「実習がつらい」と言われる理由と、2020年カリキュラム改定による改善
  • 実習先の決まり方と、養成校(国家試験の受験資格が取れる学校)によって異なる実習環境の質
  • 小倉リハビリテーション学院の実習設計の特徴

作業療法士の臨床実習は約800時間が必要

明るい校内で黄色フォルダーを脇に置いてスケジュール帳を確認する日本人学生

作業療法士になるには、養成校在学中に約800時間の臨床実習を修了する必要があります。これは厚生労働省が定める養成施設指定規則に基づく基準で、2020年度入学生からは臨床実習の単位数も「18単位」から「22単位」へ引き上げられました(出典:厚生労働省「理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改正概要」)。

総授業時間の約4分の1を臨床実習が占めることからも、作業療法士の養成教育において実習がいかに重要な位置づけかがわかります。

さらに、「総実習時間の3分の2以上を医療機関で行う」というルールがあり、病院での実習が中心となります。残りの時間で訪問リハビリテーションや通所リハビリ等の施設実習も含まれます。

実習は3種類——段階的にステップアップする設計

明るいリハビリ室で見学中の学生と患者補助を行う学生が段階的に成長していく臨床実習のシーン

臨床実習は大きく分けて3種類あり、学年が上がるにつれて内容が高度になります。

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実習の種類 主な時期 期間の目安 主な内容
見学実習 1年次 1〜数日 現場の見学、作業療法の流れの把握、社会人マナーの習得
評価実習 2〜3年次 2〜4週間 患者の心身機能の評価、作業療法プランの作成練習
総合臨床実習 最終学年 8〜10週間 自ら作成した作業療法プランの実践、効果判定(再評価)まで

見学実習:まずは「現場を知る」ことから

見学実習は、作業療法士がどのような環境で、どのように患者と関わっているかを自分の目で確認する実習です。学生自身が治療を行うことはなく、1年次に学んだ解剖学・生理学・運動学の知識が臨床現場でどう使われているかを体感することが目的です。

実習中の態度や社会人としてのマナーを学ぶ機会でもあり、初めて病院の現場に立つ緊張感を経験しつつ、「自分が目指す仕事のリアルな姿」を把握する最初のステップとなります。

評価実習:患者の課題を「自分で見つける」

評価実習では、実際に患者や利用者とコミュニケーションを取りながら、心身機能・認知機能の検査・測定を行います。対象者の麻痺の状態、関節の可動域、筋力、認知機能などを評価し、課題やニーズを明らかにしたうえで、作業療法の目標とプランを作成するところまでが到達目標です。

カルテの閲覧や、医師・看護師からの情報聴取も行います。「自分で考えて判断する」ことが求められる段階であり、座学で学んだ知識を統合する力が問われます。

総合臨床実習:集大成——プランの実践と効果判定

総合臨床実習は最終学年で行われる集大成の実習です。自分が立てた作業療法プランを実際に実践し、その効果を再評価するまでの一連の流れを経験します。

8〜10週間という長期間にわたり、1人の作業療法士としての判断力・実行力・コミュニケーション力が総合的に試されます。実習先は病院が中心ですが、身体障害・精神障害・高齢期障害・発達障害といった複数の領域をカバーする実習が求められます。

→ 関連記事:理学療法士・作業療法士になるには?大学と専門学校の違いを客観データで比較

「作業療法士の実習はつらい」と言われる理由——そして改善の流れ

明るい休憩スペースで指導教員と学生たちが和やかに話し合い励まし合っているシーン

作業療法士の実習が「つらい」と言われてきた背景には、いくつかの構造的な要因がありました。

従来の課題:

  • 実習先ごとに指導方法のばらつきが大きかった
  • レポートや症例報告の課題量が多く、実習時間外の学習負担が重かった
  • 指導者の質が統一されておらず、学生への対応に差があった

厚生労働省の実習アンケートでは、約8割の学生がレポートを自宅に持ち帰って作業していたという結果も報告されています。

2020年カリキュラム改定による改善:

しかし、2020年度入学生から適用された新カリキュラムでは、実習の質を担保するための制度改正が行われました。

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項目 改定前 改定後(2020年〜)
臨床実習指導者の要件 実務経験3年以上 実務経験5年以上+16時間の指導者講習会修了が必須
実習の形式 養成校ごとに様々 「診療参加型臨床実習」が望ましい(努力規定)
1単位の時間数 45時間 40時間以上45時間以内(実習時間外の学修含む)
臨床実習の単位数 18単位 22単位

特に指導者講習会の義務化は大きな変化です。指導者には教育理論に基づいた学生指導の方法が研修で示されるようになり、「指導者ガチャ」と呼ばれるような質のばらつきは、制度面から改善が進んでいます。

また、1単位あたりの実習時間が見直され、実習時間外に学生が自宅で行う課題量にも一定の歯止めがかかるようになりました。

実習先の「質」は養成校によって大きく異なる

明るく整備されたリハビリ施設でベテラン指導療法士が若い学生に丁寧に技術指導をしている

臨床実習でどんな経験ができるかは、養成校がどのような実習先と連携しているかに大きく左右されます。

一般的な養成校では、外部の病院や施設と個別に実習契約を結ぶため、実習先の確保や質の管理に課題を抱えるケースもあります。一方、医療グループが母体の養成校では、グループ内の関連病院・施設を実習先として確保できるため、実習環境の質が構造的に安定します。

養成校選びの際に確認したいポイントは以下の3つです。

  • 実習先はどこか:具体的な病院名や施設名が公開されているか
  • 実習先の多様性:身体障害・精神障害・高齢期・発達障害の各領域をカバーできるか
  • 学校と実習先の連携体制:実習中に困ったとき、教員に相談できる仕組みがあるか

→ 関連記事:北九州市(小倉南区・八幡西区)の理学療法士求人事情と地元就職への近道

小倉リハビリテーション学院の作業療法学科の実習設計

明るい専門学校の部屋で白衣の教員がスクラブ姿の学生に笑顔でアドバイスしている実習前面談のシーン

小倉リハビリテーション学院の作業療法学科では、作業療法士の養成に必要な実習を以下の設計で実施しています。

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学年 実習の種類 施設での実習期間
1年次 見学実習 1日
2年次 地域実習 5日
2年次 精神・発達・高齢期実習 15日
3年次 評価実習 40日
3年次 総合実習 50日

注目すべきは、2年次に「精神・発達・高齢期」の領域別実習が15日間設けられている点です。作業療法士は身体リハビリだけでなく精神科作業療法や発達支援など幅広い領域をカバーする職種であり、この段階で多領域の現場を経験できることは、3年次の長期実習に向けた重要な基盤となります。

総授業時数3,150単位時間(※単位時間=授業時間の数え方の単位)のうち、実習は990単位時間(31.4%)を占めており、実習に重きを置いたカリキュラム構成です(出典:小倉リハビリテーション学院 職業実践専門課程(文部科学大臣が認定する専門学校の課程)の開示資料)。

実習先はすべて関連病院——教員が訪問する体制

小倉リハビリテーション学院の臨床実習は、すべて巨樹の会グループの関連病院で実施されます。巨樹の会グループは全国に25の関連病院、100以上の関連施設を運営しており、新小文字病院、新行橋病院、福岡新水巻病院、原宿リハビリテーション病院などが実習先に含まれます。

さらに、実習中は教員が実習地に訪問し、助言・相談対応を行います。「実習先で困ったときに誰にも相談できない」という不安を構造的に解消する仕組みです。

実習から就職までの一貫した導線

実習で関連病院の現場を知り、スタッフとの人間関係を築き、その延長線上で就職先を選べる——この導線が、開校以来就職率100%(昨年度の卒業生:作業療法士 32名中32名全員就職、出典:職業実践専門課程の開示資料)という実績を支えています。

また、就職先は地元・北九州の病院に限られません。巨樹の会グループの関連病院は全国にあるため就職の選択肢が広く、実際には関東の関連病院を選ぶ卒業生が多いのも特徴です。地元に残るか、都市部でキャリアをスタートするかを、実習で現場を確かめたうえで選択できます。

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小倉リハ 作業療法学科のデータ 数値
総授業時数 3,150単位時間
うち実習 990単位時間(31.4%)
専任教員数 8人(基準6人)
全専任教員の資格 全員が作業療法士の有資格者
就職率 開校以来100%(昨年度 32/32名)
国家試験合格率(令和7年度) 100%

→ 関連記事:社会人から作業療法士・理学療法士になるには?入試と給付金

よくある質問(FAQ)

Q. 作業療法士の実習は「見学するだけ」の時間が多いのですか?

いいえ。見学が中心なのは1年次の見学実習のみです。2年次以降は患者の評価やプラン作成、3年次には自ら立てたプランの実践と効果判定まで行います。段階的に実践の割合が増えていく設計です。

Q. 実習中に帰宅後もレポート作業をする必要がありますか?

2020年のカリキュラム改定により、1単位あたりの実習時間は「40時間以上45時間以内(実習時間外の学修含む)」と見直されました。以前と比べて実習時間外の課題量に歯止めがかかる仕組みに変わっています。ただし、実習日誌の記録など一定の課題はあります。

Q. 実習先は自分で選べるのですか?

養成校によって異なります。一般的には養成校が実習先を割り当てますが、どの領域(身体・精神・高齢期・発達)の実習先に配属されるかは学校側の調整によります。関連病院を持つ養成校では、グループ内の施設から配属先を決定する仕組みとなっています。

Q. 実習で不合格になったらどうなりますか?

実習の評価基準は養成校ごとに定められています。万一不合格となった場合は、再実習の機会が設けられるのが一般的です。重要なのは、実習中に教員や指導者に早めに相談できる環境があるかどうかです。問題が大きくなる前に対処できる体制があれば、不合格のリスクは大きく下がります。

オープンキャンパスで「実習のリアル」を直接聞いてみませんか?

この記事では作業療法士の臨床実習の内容と仕組みを解説してきましたが、「実際の実習はどんな雰囲気なのか」「実習中のサポートは本当に手厚いのか」は、在校生の声を直接聞くのが一番確実です。

小倉リハビリテーション学院のオープンキャンパスでは、作業療法の体験授業や施設見学に加え、実習を経験した在校生との交流時間があります。「実習が不安」「作業療法士と理学療法士で迷っている」という段階でも、個別相談で具体的な疑問を解消できます。

まずはオープンキャンパスに参加して、あなた自身の目で実習環境を確かめてみてください。